視点A — 希望と実行のギャップ

転職を「したい」と思っている人は毎年約1,000万人いる。しかし実際に転職するのは約330〜350万人。 残りの約650万人は希望しながら動けない。この構造的なギャップを 独自算出指標「希望実行率」で追跡する。

希望実行率(2024年) 33.7% 転職希望者のうち実際に転職した割合
希望実行率 = 転職者数 ÷ 転職等希望者数 = 330万人 ÷ 980万人

希望実行率の年次推移

出典: 総務省統計局 労働力調査(年次)

転職希望者数 実際の転職者数 希望実行率 ★ 動けなかった人数
2019年 800万人 351万人 43.9% 約449万人
2022年 925万人 303万人 32.8% 約622万人
2023年 962万人 328万人 34.1% 約634万人
2024年 959万人 331万人 34.5% 約628万人
2025年 980万人 330万人 33.7% 約650万人

分析上の発見

  • 希望実行率は31〜35%で安定推移しており、「転職したい」の3分の2は毎年動けないままに終わる。
  • 2020〜2022年のコロナ禍では転職者数が落ち込み(319→295万人)、希望実行率も低下したが、 希望者数は約990万人を維持した。「動けない理由」がマクロ環境でなく心理・構造的制約にある可能性を示す。
  • 2024年は希望実行率が35.1%と直近で最高水準。賃上げ機運が「最初の一歩」を後押しした可能性がある。

なぜ希望しても動けないのか — 次の分析軸

政府統計は「希望者数」と「転職者数」を別々に集計しているが、クロス集計は公表されていない。 本サイトでは以下の軸での追加分析を予定している。

分析軸仮説参照予定統計
年代別 40代以上で実行率が低い(家庭・住宅ローン等の制約) 労働力調査 詳細集計
雇用形態別 正社員より非正規のほうが希望実行率が高い 就業形態の多様化に関する実態調査
地域別 求人倍率が低い地域ほど実行率が低い 労働力調査 × 職業紹介状況

視点E(独自アンケート)では、政府統計が捉えない「転職を迷う心理的理由」を直接計測する。

限界と留保

  • 「転職等希望者数」と「転職者数」は同一個人の追跡ではなく、それぞれ独立したサンプル調査の集計値である。個人単位の希望→実行の追跡はできない。
  • 希望者数のデータは調査年が限られており(2013/2016/2019/2022/2023/2024)、毎年連続ではない。
  • 「動けなかった理由」は本統計からは読み取れない。視点Eのアンケートで補完する予定。