医療福祉業界の給与水準と転職動向を2025年最新データで解説

医療・福祉分野の有効求人倍率は介護サービスで3.17倍(2026年2月・厚生労働省)、全体平均1.42倍(2026年2月・正社員)の約2.2倍に達しています。慢性的な人手不足が続く一方、2025年の現金給与総額は前年比+2.5%増の月31.84万円と着実に上昇しています。本記事では政府統計の最新データをもとに、医療福祉業界の給与水準・求人状況・転職後の賃金変動を詳しく解説します。

職業別有効求人倍率(2026年2月最新)

厚生労働省「みんなの労働ナビ」が公表する職業別有効求人倍率(2026年2月・正社員)では、医療・福祉関連職は全体を大幅に上回る水準にあります。

職業有効求人倍率全体比
介護サービス3.17倍約2.2倍
医療・福祉(専門)2.43倍約1.7倍
全職業(総数)1.42倍
事務0.41倍

介護サービスの3.17倍は「求職者1人に対して約3件の求人がある」状態を意味します。事務職の0.41倍と比較すると、医療福祉分野がいかに採用側優位の市場かがわかります。なお2025年10月時点では介護3.93倍でしたが、2026年2月には3.17倍へ低下しています(依然として高水準)。

給与水準の推移(毎月勤労統計調査)

厚生労働省「毎月勤労統計調査」(確報・事業所規模5人以上)による医療・福祉分野の現金給与総額推移です。

現金給与総額(月平均)前年比
2024年31.06万円
2025年31.84万円+2.5%

現金給与総額は基本給・残業代・賞与を含む総額です。2025年は前年比+2.5%増加しており、処遇改善加算の効果や人手不足を背景とした賃上げが反映されています。

他業界との給与比較(2025年)

産業現金給与総額(月平均)
金融・保険業55.39万円
情報通信業54.93万円
建設業46.28万円
製造業43.03万円
医療・福祉31.84万円
卸売・小売業31.19万円

医療・福祉の給与水準は産業全体では下位に位置するものの、前年比の上昇率(+2.5%)は全産業計(+2.3%)とほぼ同水準です。求人倍率の高さに比べて給与水準の改善は緩やかで、これが慢性的な人手不足の構造的要因の一つとなっています。

転職後の賃金変動(雇用動向調査)

厚生労働省「雇用動向調査」(2023年)による転職後の賃金変動(全業種計)です。

賃金変動割合
賃金が増加約37%
ほぼ変わらない約30%
賃金が減少約33%

業種固有の転職後賃金データは現状公表されていませんが、介護・医療職は求人倍率が高く転職先の選択肢が多いため、賃金交渉の余地が比較的大きい職種といえます。

転職市場全体の動向(2024年)

指標数値出典
転職者数352万人総務省 労働力調査
転職希望者数1,003万人総務省 労働力調査
転職入職率(全体)9.7%厚生労働省 雇用動向調査
有効求人倍率(年度平均)1.25倍厚生労働省

転職希望者1,003万人のうち実際に転職を果たしたのは352万人(約35%)。医療福祉分野は求人倍率が高く、このギャップを埋めやすい環境にあります。

転職エージェントの活用方法

医療福祉業界への転職を検討する際は、業界専門のキャリアアドバイザーに相談することで、求人票では見えない職場環境・処遇改善加算の実態・夜勤条件などの情報を得やすくなります。

よくある質問

医療福祉業界の求人倍率はなぜ高いのですか?

高齢化社会の進展による介護・医療サービス需要の増加と、離職率の高さ(構造的な人手不足)が主因です。特に介護サービスは3.17倍(2026年2月)と全職業平均の約2.2倍水準にあります。

転職すると給与は上がりますか?

全体平均では転職者の約37%が賃金増加を経験しています(厚生労働省 雇用動向調査 2023年)。医療福祉分野は求人が多く交渉余地があるものの、施設規模・雇用形態・夜勤の有無で大きく異なります。個別の条件は転職エージェントへの相談が有効です。

医療福祉業界の給与は今後上がりますか?

2025年の現金給与は前年比+2.5%増加しており、処遇改善加算の継続的な拡充が続いています。ただし全産業上位の金融・IT業界(55万円前後/月)との差は依然として大きく、改善ペースは緩やかです。

まとめ

  • 介護サービス求人倍率3.17倍、医療・福祉専門2.43倍(2026年2月)と人手不足が深刻
  • 現金給与は2025年に月31.84万円(前年比+2.5%増)と改善傾向
  • 他業界比較では産業計の中位〜下位水準だが、求人倍率の高さが転職交渉の優位性につながる
  • 転職者全体の約37%が賃金増加を経験(雇用動向調査2023年)

データ出典

※本記事のデータは政府統計(厚生労働省・総務省)の公表値に基づきます。最新情報は各省庁・公式サイトでご確認ください。 ※個別の転職判断については、転職エージェントや専門家にご相談ください。